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リソース・オリジナル見本帳「ハイパフォーマンス vol.2  - クリプトン」を発刊しました。
 
1993年の発表以来、機能性の高さにおいて絶大の信頼を得ている防汚加工「Crypton(クリプトン)」に特化したイスバリ生地の見本帳です。汎用性の高いデザインを数多く取り揃え、ベーシックかつハイパフォーマンスな生地選びをサポートします。
 
クリプトンは、汚れ・湿気・水性汚れによるシミや臭いから優れた保護を提供します。表面の加工によるものではなく、繊維を包み込む独自の技術によって、浸透を防ぐ防湿バリアを生成し、その撥水作用によって生地を汚れや臭いから守ります。30年以上にわたって先端であり続ける信頼の特許技術です。
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夏を涼しく、美しく。  ~ 麻(リネン) の魅力

8月の強い日差しと蒸し暑さのなかで、空間に爽やかさと軽やかさをもたらしてくれる「麻(リネン)」素材。麻(リネン)は、サステナブルへの関心の高まりの中で、じわりじわりと人気が高まっている素材でもあります。
 
今回はその魅力や特徴について考察してみたいと思います。
1)リネンとは? 
 
リネンは、亜麻の繊維を原料とした織物ですが、その歴史は古く、紀元前3500年の古代エジプトの交易品の中にすでに含まれていたと言われています。ミイラをくるんだのはリネンだったとか。
 
通気性、吸湿性、速乾性に優れ、シャリ感のあるドライな手触りとナチュラルで洗練された表情があるリネンは、サステナブルでエコな素材としても注目されています。

日本の伝統文様「麻の葉」のモチーフのとなっているリネンの原料となる麻。

麻の葉文様が、魔除けや子どもの健やかな成長を願い産着に用いられるのは、麻の成長の速さに由来しています。

 

麻は一年草で生育が早く、種まきから100日程度で収穫できるまでに育ちます。春に種をまき、夏には収穫できます。 病害虫に強く、農薬や除草剤を使わずに栽培でき、また痩せた土地でもよく育つので化学肥料もほぼ不要です。地中深くまで根を張り、土壌中の重金属や汚染物質を吸収します。その土壌浄化作用は「ファイトレメディエーション(植物による環境浄化)」の用途としても研究されています。そして、圧倒的に少ない水で育ちます。栽培に必要な水の量は、綿の約四分の一以下とも言われています。

 

麻(リネン)がエコな素材とし注目される理由は、その生育の特性にあるようです。

 
2)麻の種類
 

麻素材には、原料となる植物の種類によっていくつかの種類があります。亜麻を原料するリネンのほか、ヘンプ、ラミー、ジュートなどがあります。

 

それぞれの麻には、繊維の構造に違いがあり、特徴や用途が違ってきます。衣類やインテリア用の生地として使われるのは主にリネンとラミーで、日本国内での家庭用品品質表示法では、リネンとラミーのみが「麻」と表示され、他の麻は「その他繊維」と表示されています。アバカとサイザルは、品種的には麻ではありませんが、慣習上「麻」の名で呼ばれることがあります。

 

リネン(亜麻):
柔らかく、しなやかな肌触りが特徴。吸水性、速乾性に優れ、夏は涼しく、冬は暖かく過ごせる。衣類、寝具、テーブルクロスなど幅広く使われる。
ラミー(苧麻):
リネンよりも硬く、シャリ感のある肌触りが特徴。丈夫で、吸水性、速乾性も優れている。衣類、カーテン、タペストリーなどに使われる。
ヘンプ(大麻):
丈夫で耐久性に優れている。吸水性、速乾性も高く、衣類、バッグ、ロープなどに使われる。
ジュート(黄麻):
比較的安価で、強度が高いのが特徴。バッグ、カーペット、ロープなどに使われる。
マニラ麻(アバカ):
非常に丈夫で、耐水性にも優れている。ロープ、漁網、帽子などに使われる。
サイザル麻(ヘネケン):
丈夫で、耐摩耗性にも優れている。ロープ、カーペット、ブラシなどに使われる。

 

同じリネンの中でも、製品としての品質には大きな幅があります。いわゆる高級品といわれるものは、栽培条件が適した場所で育てられた亜麻を使用し、織りが均一で精緻です。細い糸を使って、きれいに平坦で滑らかな表面に仕上げられるため、見た目や手触りが格段に違いが生まれます。

 

ヨーロッパ産リネンは、その品質の高さと独特の風合いで知られています。特に、フランス北部やベルギーなどで栽培される亜麻から作られるリネンは、吸水性、速乾性、耐久性に優れ、使い込むほどに柔らかく肌になじむのが特徴です。

 

安価なリネンは、質の悪い亜麻を使ったり、異なる種類の繊維を混ぜて製造されることがあります。織りが粗めであったり、手触りがザラついていたり、耐久性が劣る場合があります。仕上げで化学的な処理が施されることが多く、仕上がりが硬かったり、人工的な光沢感が出ることがあるようです。

 

3)なぜリネンは「涼しい」と感じるのか?
 

リネンは、その優れた通気性と吸湿性から、暑い夏に最適な素材として知られています。

 

学生時代、ポリエステルのシャツが汗で肌に貼り付いて離れず、不快な思いを経験した方も多いかと思います。制服の白シャツがリネン製だったら、どんなに快適だったことでしょう。

 

リネン素材が涼しいと感じるのは、植物としての特性が、製品となっても十二分に発揮されているからといえます。

 

高い通気性

リネン繊維は中が空洞になっており、空気の通り道が確保されているため、風通しがよくなります。熱や湿気がこもりにくく、肌と布の間に風が抜けやすくなります。

 

優れた吸水性・吸湿性

リネンは綿よりも吸水性が高く、汗や湿気をすばやく吸収してくれます。その上、速乾性があり乾きやすいため、肌がべたつかずさらっとした状態を保てます。

 

冷感のあるシャリっとした肌触り

リネンの表面はなめらかというよりやや硬めでシャリっとしています。これにより、肌にべったり貼り付かず、接触面積が少ないため、「ひんやり」を感じられやすくなります。

 

熱がこもりにくい

綿やポリエステルと比べて、リネンは熱を逃しやすい素材です。外気と体温の温度差を素早く調整し、体温調整をサポートしてくれます。

 

自然素材ならではの調湿作用

リネンは植物由来の天然繊維なので、室内の湿度を刷ったり吐いたりする「呼吸する」素材です。これは空間全体の蒸し暑さを和らげる効果もあります。

 

リネンをインテリアとして使用した場合、「通気性」と「触感」によって体感温度が下がり「涼しい」と感じられます。空間全体が軽やかに見え、視覚的にも涼やかになります。

カーテンにリネンを使う場合の涼しさ
風を通しやすく、室内の空気がこもりにくくなります。湿度をある程度吸ってくれるため、部屋の空気感が重くなりにくいようです。

 

クッションカバーにリネンを使う場合の涼しさ
肌に触れたときのサラリ感があります。綿よりも繊維が硬く、皮膚と生地の間にわずかな空間ができるため、ベタつかず涼しい感触になります。また、綿やポリエステルよりも放熱性に優れているため、長く座っていても熱がこもりにくく蒸れにくいようです。

4)リネンの欠点
 

環境にも優しく風合いも良く、素材として魅力の多いリネンですが、一方でリネンならではの欠点も存在します。

 

ホテルのインテリアを手掛けるデザイナーが、ついつい「麻(リネン)」を敬遠してしまう理由はその欠点のためです。公共性やパフォーマンス性が求められる場所ではやむをえないとはいえ、リネンの優れた特性を活用できないことは、とても残念でなりません。

リネンの欠点は、「メンテナンス性、見た目の管理、耐久性、コスト」といった商業空間特有の実務的な要因によるものがほとんどです。メンテナンス技術の革新や価値観の変化によってリネンの活用が拡大することが期待されます。

 

 

シワになりやすい(=清潔感・高級感に影響)

リネンは天然繊維のため、シワができやすく取れにくい性質があります。ホテルのベッドリネンやカーテン、ファブリックは常に「パリッと整っている」ことが求められるため、シワ=だらしない・メンテナンス不足と捉えられることがあります。

 

メンテナンス性が悪い

一般的にリネンは洗濯により縮みやすく、毛羽立ちやすい素材です。綿やポリエステル系に比べると、業務用クリーニングの耐久性が低く、扱いが難しいという声も聞かれます。

 

高コスト・入手難

良質なリネンは高価で、輸入品が多く、全体的の高コストになる傾向があります。ホテル等では大量に均一な品質で調達する必要がある場合、安定供給性の確保が必要です。

 

風合いが「ナチュラルすぎる」ことへの懸念

リネンのざっくりした質感や色ムラ、天然素材らしい表情は、ナチュラルやカジュアルな空間にはぴったりです。しかし、高級感・非日常感・ラグジュアリー感を演出する場面では「野暮ったく」見えてしまうと感じられることも。ツヤやしなやかさを重視する空間には不向きとされることもあります。

 

耐久性・色落ちへの不安

紫外線に弱く、直射日光で色あせや劣化が進みやすい傾向があります。人の出入りが激しいホテルなどでは、見た目の劣化が早い素材は敬遠されやすいようです。

 

 

 

それでも、リネンが積極的に採用されているホテルもあります。

サステナブル志向のホテルや自然との共生や地域性をテーマにしたリゾートホテル、ナチュラル・オーガニック・和モダン系のブティックホテルなどです。

 

世界の一流ホテルでは、テーブルには真っ白なリネンのテーブルクロスが掛けられ、ベッド回りやバス回りにも滑らかなリネンが使用されています。きちんとアイロンが掛けられ手の行き届いた美しいリネンは、気持ちがよく背筋が伸びるような気持ちがします。

5)おすすめのブランド
 

弊社取り扱いブランドの中から、リネンや天然素材のテキスタイルのコレクションを展開しているおすすめのブランドを紹介いたします。

 
Bisson Bruneel (フランス)
 
Bisson Bruneel ビッソン・ブルニール
独特な素材使いで、個性的で美しく品のあるテキスタイル・コレクションを展開。リネン、ヘンプ、アバカなどを扱い、素材の豊かさと色の多様性に対応する個性的なブランド。名だたる建築家やデザイナーに選ばれ、高級ブランドの旗艦店などにも納められている。
Luciano Marcato (フランス)
 
Luciano Marcato ルチアーノ・マルカト
フランス・カザル社傘下で、元はイタリアの高級ファブリック・ブランド。リネンやシルクを主素材としたオーセンティックで高品質な素材を使用した、クラシックから最新トレンドまで、多彩なデザインのコレクションを展開。
de Le Cuona (イギリス)
 
de Le Cuona デ・ル・コーニャ
世界最高級の天然繊維を使用し、ヨーロッパの最高峰の工場で織られた生地を扱う、高品質にこだわったブランド。独特の触り心地と絶妙に控えめな、天然素材の美しさを知ることができる。リネン、ヘンプ、カシミア、ウール、アルパカ、シルクなどのコレクションを展開。
KOHRO (イタリア)
 

KOHRO コーロ

メイド・イン・イタリアを誇る、専門知識、厳格な品質管理、そして高度な技術によって、最高級のコットン、リネン、シルク、カシミアを生産。何世代にもわたって大切にされ愛用されるような品質とデザインにこだわったモノづくりを行う。コレクションはすべてダブル幅で作られている。

Alessandro Bini (イタリア)
 
Alessandro Bini アレッサンドロ・ビニ
糸の品質、織りの技術、仕上げ、そしてファッショントレンドにも配慮したコレクションを展開。メイド・イン・イタリアの技術力を生かした、素晴らしい天然素材のコレクションを展開。コントラクト・マーケットも意識したデザインは、ホテルなどにも好評。
Holland & Sherry (アメリカ)
 
Holland & Sherry ホーランド&シェリー
ロンドンのセビルローに店を構える高級紳士服地ブランドが、新たにアメリカを拠点にインテリア・テキスタイル・ブランドを樹立。服地で培ったスピニングや織りの技術を応用。「最高級」の素材で「最高級」の生地を作るというブランド信条を守り、ラグジュアリーなコレクションを展開。

リネンの欠点を補う、ポリエステル製の「リネン風生地(リネンライク、フェイクリネン)」も近年とても充実してきました。天然リネンのような太さのムラ感を再現するため、あえて不均一な太さのスラブ風ポリエステル糸を使用し、リネン独特の「ざっくりした繊維感」「節のある表情」を再現しています。仕上げにマット加工やワッシャー加工、起毛加工などを施し天然素材特有の風合いを再現します。

 

リネンライク生地は、本物のリネンほどの吸湿性・通気性はありませんが、シワになりにくく、形態安定性も高く、本物のリネンの美しさを模しつつ、扱いやすさ・耐久性・コストパフォーマンスを両立するために重宝されています。

FABRICUT (アメリカ)
 

FABRICUT ファブリカット
世界屈指のファブリック・ディストリビューターで、多種多様なコレクションを展開。天然素材のリネンも、風合いのバリエーションやカラーバリエーションが豊富。リネンブレンド、リネンライクなども多くのコレクションを持ち、どれも多色展開で多くの選択肢を提供している。

PICK UP

新作商品や人気コレクションを弊社取り扱いの海外ブランドと併せてご紹介いたします。

High Quality Sheer  /  stieger(スイス)

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光を柔らかく拡散するシアーカーテンは、強い日差しを優しい光のベールに変え、空間全体に陰影をつくり、また時間帯によってその表情は変化していきます。少しの透けが、外の気配の余韻を残し、詩的な余白を生み出します。風を受けてふわりと揺れる様子は優雅で、人の動きや空調の風に合わせてささやかに揺れ、空間に生命感を与えます。

 

薄い生地を織るためには技術力が必要です。細い番手の糸を扱うのは難しく、細ければ細いほど糸切れしやすく、テンション管理が繊細になります。透ける生地は光を通すため、わずかなキズや織りムラでも目立ちます。織り方・糸の撚り・仕上げ工程(熱処理、樹脂加工など)など、高性能な織機とそれを操る熟練の職人といった総合的な技術力が求められます。

スイスのテキスタイルブランド、stieger (シュティーガー)は、メイド・イン・スイスに徹し、非常に高度で独自の仕上げ技術により、美しく繊細で手触りのよいカーテン生地を生産しています。シュティーガー社の作り出すシアーカーテン生地は、とても繊細で美しく完成度の高い製品ばかりです。テクスチャーのバリエーションも豊富で、カラーバリエーションも100色にも及びます。

 

同社のコレクションは、その約8割を難燃ポリエステル(トレビラCS)製の製品が占めており、糸の開発にも協力。難燃糸トレビラ社のゴールドメンバーにもなっています。

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